D.C.USS 〜受け継がれゆく幸せ〜 (300,000HIT記念SS) ――― ねぇ………弟くん。 ――― ん? ――― 弟くんは“受け継がれる”って…信じるかな? ――― どうしたんだよ、突然? ――― 私は、お母さんの意志を受け継いだ。そして、弟くんも……… ――― 俺は何も受け継いでないよ。そもそも……俺は……… ――― 弟くんは、ちゃんと受け継いだじゃない。 ――― 何を? ――― コレ。 ――― おいおい…それなら、音姉だって出来るじゃないか。 ――― ううん。今は………弟くんだけの魔法、だよ。 ――― それって………どういうこと? ――― その力で、弟くんは私を幸せにしてくれた。 ――― ずっとふさぎこんでいた私を、笑顔にしてくれた。 ――― 弟くんの魔法だったから、出来たことなんだよ? ――― そうなの……かな? ――― そうだよ。だから、弟くんは受け継いだんだよ。 ――― 人々を笑顔にする魔法を…ね♪ ――― 音姉………良くそんなセリフ言えるな。 ――― むっ、弟くんムード無さ過ぎっ!!! ――― はは、ごめんごめん。………ほら、コレで機嫌直してくれな? ――― むぅ………でも、甘いから許してあげる♪ ――― はは……… ――― ねぇ、弟くん? ――― ん? ――― この子達も………受け継いでいくのかな? ――― ………かもしれないな。 ――― なんか………ちょっと楽しみ。 ――― あぁ………実は俺も。 ――― ね、弟くん? ――― ん? ――― 私も“正義の魔法使い”として弟くんを助けるから……… ――― 弟くんも、ずっとずっと………私たちを幸せにしてね? ――― 私も、この子達も、当然、弟くんもだよ? ――― ああ………もちろんさ。 そして幸せは、未来へと受け継がれていく―――――――― 「おとねー、お風呂あいたよー」 「むーっ、おとーとくんってば、いっつも先に入っちゃうんだから!」 タオルで頭をふきながら居間にくると、おとねーがほっぺたをふくらませていた。 なんか………また機嫌が悪いみたい。 「………だったら先に入ればいいだろ?」 「たまにはおとーとくんと一緒に入りたいんだもんっ!!!」 「そんなこと………」 ………できないって言いたい。でも、言ったところでおとねーはきかない。 前に何度も泣きそうになったから。ムチャクチャだけど、おとねーが泣くところは見たくないから。 「むぅ〜〜〜〜〜!!!」 うぅ、どうしたらいいんだろ? 「ふふっ、ああして見ると、私たちの小さい頃にそっくりだよね」 「あぁ………そうだな」 父さんと母さんはニコニコ笑ってるだけ。うぅ、薄情モノ〜〜〜〜!!! 「むーっ、おとーとくんってば聞いてるのっ!?」 「うわあっ!? えと、その………」 お、おとねーがすっごく機嫌悪い。ど、どうしよう? ………あ、そうだっ! 「っ――――!」 ボクは右手に力をこめた。 父さんから教わった、人々を笑顔にする、とっておきの魔法――――― 「お、おとねー。これ………」 「むー………って、それ………」 「うん………あげる」 ボクが作り出したドラヤキを音姉はパクリと頬張る。そして―――― 「おいしい………」 おとねーが笑った。いつもの明るい笑顔だった。 「しっかりと………受け継いだね」 「あぁ………まさか、呼び方まで受け継ぐとは思わなかったけどな」 「ふふっ、そのほうが“らしい”と思わない?」 「だな………」 「じゃあ、私も………」 今度はおとねーが右手を握って力をこめる。 母さんから教わった、父さんと同じ魔法――――― 「はい、おとーとくん♪」 「ありがと………」 ボクは、おとねーから出してもらった大福を一口食べる。 「甘い………」 「ふふっ♪ おとーとくんのも甘かったよっ♪」 気がついたら、ボクたちは二人揃って笑顔になっていた。 「なぁ………音姫」 「ん、なぁに?」 「今………幸せか?」 「ふふっ♪ そんなの決まってるよ♪」 ボクたちの後ろで、母さんが父さんに抱きついていた。 まぁ、いつもの事だから、特に驚いたりはしなかったけど。 父さんと母さんは、小さい頃から姉と弟………丁度ボクとおとねーみたいな感じで過ごしてきたって 聞いたことがある。ずっと………仲良しだったって言ってた。 いつか、ゆめさんが言っていた。ボクとおとねーは父さんと母さんにそっくりだって。 いつも、二人一緒に居るところとか、おとねーがボクのことを大事にしてるところとか、ボクが出した 和菓子を食べると、必ず笑顔になるところとか。 あと、お互いの呼び方もそっくりだって言ってたけど、それは本当なんだなぁ、と思った。 だって、たまに父さんと母さんは、呼び合うときに、ボクたちと同じ言葉を使うから――――― 「うわっ!? ちょ、音姉っ!」 「えへへっ♪ 愛してるよ、弟くんっ♪」 受け継がれゆく幸せは、これからもずっと続いてゆく。 父親、そして母親から、息子と娘へ―――― そして未来へと、ずっとずっと受け継がれてゆく―――――― ‐Fin‐
あとがき 毎度どうも、シュンレイです。 300,000HIT記念SS、いかがでしたでしょうか? 今回のSSは当初考えていたこととはガラリと変えてしまいました。 (当初はいつもの如く、モテモテな弟くんに対して不安を抱きまくる音姫の話でした) さて書こうか………と思ったときに、突如浮かんできたのです、今回の話が。 神が舞い降りたってのは子の事を言うのかもしれませんね(違うか? 冒頭の二人のやり取りも、ちょっと違う雰囲気で行こうと試みました。 ちなみに後半部分の姉弟の名前は、明かしていません。 まぁ、特に深い理由は無いんですが………あえて出さないのもまた一興かなぁと思ったもので。 つってもまぁ、姉のほうは、“おと”がつく名前ってのはもう言うまでも無いでしょうねw 最後になりましたが、更新が遅くなり、ゴメンナサイです。 次回作も、一応ネタは上がってるので、早ければ今月中に公開できるかもしれません。 それでは、また。 感想・意見・リクエストがある方は、BBSまたはメールでどうぞ。
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