「RIN IS A VERY SHY GIRL」




 2月13日、世間では明日のバレンタインデーに向けて男子も女子もその話題で盛り上がっていた。

 もちろんリトルバスターズのかようこの学校でも例外なく明日に向けて張りきる人や、もらえるか
どうか心配してどきどきしている人などでいつもと違う雰囲気になっていた。


 そんななか、鈴は一人いつものように猫とたわむれていた、


「うーみゅ」

 やっぱり、お前らといるときが一番気持ちいいな。
 ん? ヒョードルお前毛づくろいサボってただろ? せっかくのふさふさな毛が台無しだぞ。
 まったくしょうがない奴だな、ほら毛づくろいしてやるからこっちこい、特別だぞ。

「ニャ〜〜〜」

 ふふっほらグル〜ミ〜〜グル〜ミ〜〜

「ニャぁ〜にゃにゃ〜」

 気持ちいだろ〜、このブラシはモンペチゴールドを買った時についてきた
 その名もグルーミースペシャルだからな、お前たちのためにとっておいたんだぞ。
 ほら、これでお前の毛並みも元通りだ、いや今の方がフサフサな気がするな?
 すごいなヒョードル、ん? それともグルーミースペシャルがすごいのか?


 と鈴が考え事をしていると後ろを二人組みの女子が通っていった。


「一体明日は誰にあげるのー?」
「ええー? そんなこと言えないよ」
「おお〜、なんか怪しいな〜ほらっきりきり白状せい!!」
「きゃ〜!!」

 ん? 明日はなにかあるのか? もう豆まきなら終わったぞ?
 うーみゅ、何か人に物をあげるような行事か、そんなもの私知らないぞ?
 あいつら馬鹿じゃないのか? それともあたしがぼけたのか?


 と鈴がそんなことを思っていると急に小毬の言葉を思い出した。


「鈴ちゃんはどんなチョコがいいですか〜?」
「ん? 小毬ちゃん、一体何の話だ?」
「バレンタインのチョコだよ〜、もうすぐだから今から用意しとかなくちゃね〜」
「あたしはべつにいい、興味もない」
「ふぇ?だめだよ〜〜鈴ちゃん、今年は理樹君もいるんだから〜」
「な///!! なんでそこに理樹がでてくるんだ!!」
「ええ?だって鈴ちゃんと理樹君って付き合ってるんだよね〜、だったら渡さなくちゃ〜。
 きっと理樹君も、もらえたらうれしいと思いますよ〜」
「う!!///小毬ちゃんいぢわるだ。小毬ちゃんこそだれにあげるんだ?」

「そんなの決まってるよ〜、恭介さんに、謙吾君に、真人君に、理樹くん、それにお世話になってる
人全員にだよ〜。チョコって食べると笑顔になるよね、それを見ている私もとっても幸せ。
それに自分が作った物を食べてもらえるって言うのはうれしいんだよ〜。あ、もちろん鈴ちゃんにも
あげるね、どんなチョコがいい〜?」

「う〜ん、あたしあまりチョコは詳しくない。小毬ちゃんのお勧めがいいな」
「OKですよ〜、じゃあ楽しみに待っててね」


 そうか、明日はヴァレンタインデーなのか、うーみゅ今までヴァレンタインっていっても恭介達と
一緒にチョコを食べてただけだからな。


 今年はそうだな、恭介には5円チョコぐらい上げてもいいだろ。変態ながら兄だからな。

 あとは謙吾か、謙吾も5円チョコでいいな、去年色々な人にもらって「こんなには食べきれないが、
気持ちは無駄にはできない。仕方ないちょっとずつ食べよう」といってたぐらいだからな。

 真人には、プロテインでいいか、あいつはそもそもヴァレンタインデー自体しらなそうだからな。

 理樹には……理樹には……うーみゅ…、うんあいつにも5円チョコでいいな、あたしがチョコを作
ってもきっとおいしくないし、理樹も喜んでくれないだろ。


 きっと、あたしの作るチョコより5円チョコのほうが喜ぶんだろうな、うんきっとそうだ間違いな
い。でも、あたしが作ったら喜んで食べてくれるのかな……?

 ぶんぶん、何を考えてるんだあたしは? 5円チョコはおいしいんだぞ、じゃあ早速買ってこよう。



 そうして鈴は、スーパーへと買い物に出かけた。

 昔はスーパーへ一人で買い物にも行けなかった鈴だが、色々なことを経験し、それを乗り越えたこ
とで鈴は強くなっていた。今でも人見知りはするが、それでも前よりはずっとましになったのだ。



そして、スーパーのチョコレート売り場にて。



 うん、5円チョコも手に入ったし後は帰るだけか。えーとこれが馬鹿たちの分、これが小毬ちゃんの
で、これがくるがやのだな。あとこれが葉留佳ので……これが理樹のか……。

 よし、じゃああとはモンペチの新作が出てないかどうかチェックして帰ろう。



 そう考えモンペチ売り場に向かう途中、すごい人だかりにであって思わず鈴は足を止めた。



 なんだ? この人だかりは? 何かあったのか? それともあたしの目がおかしくなったのか?


 そう思い鈴が目を凝らしてみると、そこには「ついに明日はヴァレンタインデー!! 手作りのチ
ョコで彼を喜ばせよう!!」と書いてあった。


 彼か…。ブンブン何を考えてるんだあたしは!!もう理樹には5円チョコって決めたじゃないか。
でも、やっぱり……



鈴が思い出すのはいつかどこの世界かで、自分が弱かったときにてを引いてくれた理樹の姿だった……



 あたしも強くならなくちゃ、理樹にいつまでも手を引いてもらうだけじゃだめだ。


 そう決心した鈴は走って寮に帰っていった、そこにはしっかりと5円チョコと、手作り用のチョコの
もとが握られていた…。




 寮に帰った後鈴は、一人食堂のキッチンで格闘していた。
 何回も作ってみるがなかなか上手くできず、悪戦苦闘していた。
 それを不審に思った理樹や真人が食堂に近づいてみるも「こっちくんな!!ぼけー」という一声と、
ハイキック(食らったのは真人だけだが…)で入れてはもらえなかった。
 恭介と謙吾は訳を知ってるらしく、理樹が恭介に「鈴、いったいどうしちゃったのかな?」と聞いても
「まあ、鈴も一人前に乙女してるってことさ」
「そうだぞ理樹、お前も幸せな男だな」
と微笑で返されて訳を知ることができなかった。



 結局その日、理樹は鈴に会うことができなかった。




翌日、2月14日


 鈴は朝からしょぼくれていた、昨日夜遅くまで頑張ったのに結局いびつな形のチョコの塊しかでき
なかったのだ。

「こんなの理樹にあげられない」
 と思ったがそれしかできなかったので一応ラッピングしてあるものを入れて持ってきていたのだ……
素直になれない鈴の精一杯の気持ちを込めて…。

 一方理樹はそんな鈴の様子を見て心配していた。


昼休み


 鈴は小毬ちゃんから手作りのチョコをもらっていた、小毬ちゃんのチョコは小毬ちゃんらしいふん
わりしたムースだった。そして渡されるときに

「鈴ちゃん、理樹君にそのチョコあげるんだよね?」

 と、鈴のラッピングされた袋を見て言ったのだ。

「いや!!これは違うぞ!!小毬ちゃん!!えーとほら、理樹にはこの5円チョコがあるし、これはほ
らっ落ちてたんだ!!だから拾ったんだ!!」
「ふ〜んそうなんだ〜、へへっ鈴ちゃんがんばって〜」

 と言われたのだ、これで鈴も覚悟を決めて理樹を呼び出した。

「理樹、話がある、ちょっと裏庭にきてくれないか?」
「うんいいよ、なに? 話って?」
「いってから話す、まあとりあえず来てくれ」



そして裏庭で。

「理樹、今日はバレンタインデーだ、だからこれをやる」
「ああ、そうだったね。ありがとう鈴」
「包みをほどいてみてくれ」
「うん、わかったよ」

 ガサゴソ・・・

「鈴? これは何?」
「何ってわからないのか? それとももうぼけたのか?」
「いやぼけてはないけど…、もしかして5円チョコ?」
「ああそうだ、よくわかったな、おいしいぞ…なんだ不満なのか?」
「いやべつに、鈴がバレンタインデーでチョコをくれるとは思ってなかったからうれしいよ」
「そうか、それはよかったな……あ〜あと何かこれ廊下に落ちてたんだ、誰のかわからないから理樹
が届けといてくれ」

そういって、鈴はあの袋を理樹に手渡した。

「それはいいけど、誰のなのかな?……あ、メッセージカードが入ってるどれどれ…」

理樹はそれを見た瞬間に笑い出した!!

「どうしたんd・・・」

 鈴はどうしたのか聞こうとしたが途中で何もいえなくなった。
 理樹が満面の笑みで鈴のことを抱きしめたのだ。

「どうしたんだ理樹!! 急に抱きついてきて!!」
「ありがとう鈴、手作りのチョコなんて取ってもうれしいよ」


 ああ、なんて理樹は優しいんだ……


「それは違うぞ!?それは落ちてたんだ!!」


 こんなに素直になれない、シャイガールなのに…


「ふふ、だったらメッセージカードに鈴なんてつけないよ」


 いつも、一番早くあたしの気持ちに気づいてくれて…


「うう、それはそうだが」


 いつでも、その笑顔を見せてくれる…


「鈴のなんだよね?」
「うう、そ…そうだ…、でも形もいびつだしおいしくなんてないぞ?」


 困っているときは黙って手をひいてくれる…


「そんなことないよ、とってもおいしいよ…鈴の気持ちがこもってるからね」
「う!/// 恥ずかしいことをいう奴だな」

 あたしだってとっても感謝してるんだぞ? だから…

「理樹!!」



 シャイなあたしが一回だけ素直になるからな?



「なに?」
「大好きだ」
「うん僕も、大好きだよ」



「チュ」




〜fin〜



「あとがき」

こんにちは、ヒロタカです。
いや〜、今日はとうとうバレンタインですね!!
なのでバレンタインSSをお送りいたしました。

今回のSSで初めてほのラブを書いたんですが、難しいですね!!
特に最後のキスのところはどう表現したらいいかわからず大変でした!!
え〜と自分的には理樹と鈴の組み合わせは大好きです!!

これからもっともっとSSを書いてほのラブ系も、もっと上手く書けたらなって思います。
それでは、次は「ハルチンマクスパワー」出会いましょう(宣伝w)


感想やアドヴァイス、ほのラブの書き方など書いてくださる方がおりましたらメールください
お願いします。

メールアドレス
basketman.takahiro@hotmail.co.jp




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