『神々の宴 第三話』 朝早くカノンは王宮に向った。 どう考えても異常事態なのは明らかだった。 ここ100年程世界各国で魔族との抗争が途絶えないが、 伯爵クラスの魔族が動いたの聞いたことが無い。 しかもこんな小国に・・・・・・ スノウ王国、雪と魚が産物の今はしがない小国だ。 「あの男ライゼンとか言っていたな、王宮の賢者ならなにか知っているかも」 王宮に向かう足を速める。 はやく王宮に向かわないと・・・ 「王宮への通行許可証をお持ちですか?」 入り口で番兵にとめられる。 「アルミナ騎士団の火神楽カノンです。」 首に下がっているペンダントを番兵に見せる。盾の形をモチーフしたペンダントの表には「ガリオン」 のシンボルマークであるグリフィンが描いてあり、 裏には「アルミナ騎士団」と描いてある。 その下にはシリアルナンバーが彫ってありこれが通行許可証となる。 このペンダントはアルミナであり。ガリオンである証 「少々お待ち下さい」 もはや、騎士団から独立しかけているガリオンだがアルミナは一応この国で最強の騎士団なので実際 独立はありえないであろう。 かつて、世界の命運を背負った英雄を生んだ騎士団なのだから 「シリアルナンバー8524ガリオンの火神楽卿、確かに認証いたしました。」 あれこれ考えているといつの間にか確認が取れ番兵が道を空けてくれる。 そのまま直接王室にはいかずまっすぐ部室にむかう。 王室に行った所で皇女様も姫も様まだお休みであろう。なにせまだ6時なのだから 途中で執事にアポを取っておくのは忘れない。 「ガリオン」創生の鍵となった戦のおかげで、王宮内に特殊な魔法が掛かっている部室を設けてもら い、なんと訓練場を使う許可までおりていた。 まさか王宮に自由に出入りできるなんてなぁ・・・・・・・ 物思いにふけりながら部屋に入り、専用のソファーに座る。 民間人がこんなところに居られるのはアルミナ騎士団と ちょっとした隠し技のお陰だと思う。 スタスタ 足音? がする。 一応ホルスターの中に納まっている銃に手を伸ばす。 「お早うカノン。何してんの?」 後ろから眠そうな声がする。 ガリオンのメンバー『ブルー・レイヴン』の朝霧アヤメである。 長い黒髪を高い位置にまとめ、白い肌に蒼の瞳のカノンと同じ17歳の女の子 いつも鎖帷子を身に纏っている。愛刀の忍者刀ヤタガラスは部屋に置いてきたようだ。 忍者の彼女は霧を使った戦法が得意で別名「霧殺のアヤメ」 これは彼女の技から付けられた通り名だ。 どういう技なのかはまぁ別の機会で見られるだろう。 「なんだアヤメか・・・・・・・・・そういえばお前ここに泊まってるんだっけ」 アヤメはこの部室内に広がっている廊下から行ける個室に寝泊りしている。 「ひどいなぁ、久しぶりだったから声掛けて上げたのに……で何?任務?楽しそうなのだったら手伝 うけど」 「いや、紅羽様に会いに・・・・・・」 話ししていると奥の方からもう一人出てきた。 「朝っぱらから騒々しいな、なんだカノン来てたのか」 欠伸をしながら談話室に入ってきた。 「ジル久しぶり」 「おはようジル」 ジルと呼ばれた男、ジル・ワークスは身長190という大男で 銀髪に濃い灰色の瞳をしている。 重力系統の術が使え、カノンの戦友であり親友だ。 「『ダークネス・グリズリー』も朝は弱いみたいだな。」 ダークネス・グリズリーがジルの通り名 彼の戦闘方法からついた名前が「覇壊のジル」と「ダークネス・グリズリー」 「おうよ、全く眠いったらありゃしない」 本当に眠そうだな…… 「他の二人は?」 カノン、アヤメ、ジルの他に二人居るんだが・・・・・・・・・ 「あの二人ならまだ任務から帰ってきてないぜ。帰ってくるのは三日後だ」 三日後、あの魔族が宣言した国落としの日だ。 「んで、カノンは何しにきたんさ」 「実はな……」 昨日の経過を二人に話す 伯爵のこと、国落としの宣言を受けたこと 最初は驚いていた二人だったが次第に笑みがこぼれてきた。 「やったろうじゃん、ここんとこ大暴れは久しかったからな」 とジル 「楽しみだね、魔族の目が恐怖におびえるのが想像できるよ〜」 とアヤメ達が口々に感想を漏らす。 「で、紅羽様は?」 白雪紅羽(クレハ)様はこの国の皇女様でスノウ王国最強の黒魔術師としても名高い 「10頃になら会えるんじゃねぇ?姫様に会うなら9時ごろだろうな」 「そっか、10時までどうしようかな?」 今は7:30分時間まで随分暇が有るな 「って二人ともお腹すいてないの?私お腹すいちゃった」 ふむ、そういえば腹がすいたな 「俺も腹がすいたな。」 ジルがお腹をさすりながら言う。 「カノン何か作って、お腹がすいて死にそう」 「俺かい!!」 アヤメに突っ込み返す。 まぁ確かにここにはダイニングキッチンもあるし冷蔵庫にも材料が有るから作れるけどさ 王宮の厨房行けば良いじゃないか……… 「わかったよ。でも簡単なのだぞ」 でも逆らえないので、ってか逆らったら殺られそうなのでおとなしくキッチンに入っていく 10分後、フレンチトーストと両面焼きの目玉焼きにベーコンソテー、コーンスープが食卓に並べられ ていた。 「しかし相変わらずうまいよなカノンの飯」 ジルがベーコンを頬張りながら言う 「王宮のご飯も悪くないけどカノンのは別格よね。一時これで食いぶち稼いでたんだっけ」 「全くで御座いますな。いやはやこのコーンスープは美味いの一言に尽きますわい」 いや待て、執事のセバスチャン。お前いつからいた? 「まぁ良いではないですか。あ、アヤメちゃんコーンスープ御代わり」 「あいよ〜」 「カノン珈琲くれ、俺はアメリカンコーヒーで」 「わたしカフェオレでよろしく」 もうどうにでもなれ………(泣) こうして朝の朝食が過ぎていくのだった にぎやかな朝食がすぎ、紅羽様に経緯を話す。 なんか「カノンの部屋を引っ越さないと」とか言っていた気がするが気にしない方向で行こう。って か気にしたら負けだ。 話がおわり部室に向かおうとすると後ろから声を掛けられた 「カノン君久しぶり〜」 このほんわか声は…… 「お久しぶりです姫様」 振り返りにこやかな笑顔で返す 白雪月(シラユキ・ルナ)紅羽様の娘でこの国のお姫様だ。 「しばらく見ないうちに縮みました?」 「ちゃんと伸びてるよ。全くカノン君こっちに住まないから顔を見るのも久々だよ〜」 「はは………君付けでは無くて良いですよ姫様」 「良いのこれで、そうそう王宮に住むんでしょ?母様が言ってたよ」 「へ!?」 思わず間抜けな返事を返してしまう イマナントオッシャイマシタ? 「それで引越しが終わったからカノン君に伝えてこいって母様が」 早っ!!確かにさっき言ってたけどさ、いくらなんでも早すぎやしないかい 姫様と一緒に部屋に戻る。ホントに引っ越してあった。 中身もちゃんと整っていた。 ほんと何から何までも要領の良いお人だよ そして奥の方に一部屋増えていた。 「カノンの武器実験室」という名前で………… もう嬉しいやら悲しいやら…………トホホ(泣) その夜談話室ではジル、アヤメ、カノン、紅羽様、ルナ様、執事のセバスチャンとの楽しい食事をした。 勿論それを作った人物が誰かは言うまでもあるまい あとがき どうも疾風です。神々の宴第三話はなんかドタバタになっちゃいました(コラ) ジル君アヤメちゃん登場ですね。 ちなみにジル君の年齢は19歳、ガリオンの最年長さんであります。 さて、第四話はジル君の武器とカノン君の新しい武器 そして、聖霊さんが出てくる予定です。 次回もよろしくお願いします。‐頂き物のページに戻る‐